地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信
[情報発信]

国連SDGs加速化のアクション

国際連合経済社会局(UN DESA)
―国際連合地域開発センター(UNCRD)

取り組みの概要

 2019年9月24日から25日にかけてニューヨークの国連本部にて開催された、SDGs採択後初めての「SDGサミット2019」において、SDGs推進に向けて実施しているアクション「SDGs加速化のアクション」を発表しました。サミットには、アントニオ・グテーレス事務総長、ティジャニ・ムハンマド=バンデ総会議長、各国首脳、国際機関の長らが出席し、過去4年間の取り組みについて、首脳レベルでのレビューが行われました。その結果、世界のリーダーらは、SDGs採択から4年経ったものの目標達成に向けた取り組みが進んでいない現状から、2030年までにSDGsを達成するための「野心的な行動の10年」とし、加速化のためのアクションの発表に至っています。

取り組みの経緯や課題の背景

 「SDGs加速化のアクション」とは、SDGsの実施を加速化させるため、さまざまな主体が、個人またはパートナーシップで自発的に行う取り組みです。既存の取り組みのスケールアップや新しいフェーズの立ち上げ等が該当します。SDGs サミットを前に、UN DESAは「SDGs加速化のアクション」の実施状況を把握するためのプラットフォーム(https://sdgs.un.org/partnerships/action-networks/acceleration-actions)を立ち上げました。サミットの開幕にあたり採択された政治宣言「持続可能な開発に向けた行動と遂行の10年に向けた態勢強化」においても、SDGsを達成するために、あらゆるレベルのすべてのステークホルダーが協調して加速的に行動する緊急の必要性が強調されています。

取り組みの経緯や課題の背景

 別事例で紹介しているSDGsグッドプラクティス同様、加速化のアクションには政府や自治体、民間企業や団体等、誰でも直接応募することが可能です。応募者は、取り組み事例の背景、目的や活動内容、アウトプットや期待されるインパクト、ステークホルダーや連携等の項目について、オンライン上のフォームに記載し提出します。応募事例は、国連機関の専門家チームの分析を経て選定、登録されます。
 加速化のアクションの大部分(76%)は、ゴール間のリンケージやシナジーを活用しながら複数のSDGsに取り組むことで加速化を目指しています。例えば、ブラジルは2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を3分の1削減することを公約しました。フィンランドは2035年までにカーボンニュートラルを達成することを誓約しました。ギリシャは循環経済を通じたグリーン成長を確約しました。

効果・展開可能性

 2023年3月31日現在、合計425件の加速化のアクションが登録されており、現在も応募することができます。取り組み事例は主要な国連の多国間会議で取り上げられる他、SNS等を通じて世界で拡散され、知見や経験の共有が図られています。グテーレス事務総長は、危機の特異な性質に見合った対応の創造性が必要であり、その規模に見合った対応の大きさが必要であることを強調しており、気候変動、コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナ侵攻といった複合的な危機に直面してSDGs加速化のアクションの重要性はさらに増しています。

取り組み関係主体

 SDGsグッドプラクティス同様、UN DESA主導で、関係する国連・国際機関も協力して実施しました。本手引きも活動の一貫であるUNCRDの「中部圏におけるSDGローカルアクションのためのモニタリング・評価ツールの開発」や日本政府のSDGs推進円卓会議の有識者メンバーによる「日本のSDGs実施指針の改訂に向けた提言」、加山興業株式会社(愛知県豊川市)の取り組みも選定、登録され、SDGs加速化のアクションとして、プラットフォーム上で公開されています。