会長あいさつ

 中部圏SDGs広域プラットフォームは、中部圏ひいてはわが国におけるSDGs達成に向けた取組を支援するとともに、世界各国とりわけ開発途上国における課題解決の支援などの国際貢献を行うことを目的に2020年12月に設立されました。
 中部圏には、「国際連合地域開発センター(UNCRD)」をはじめ、企業を支援する「一般社団法人中部SDGs推進センター」、人材育成を目的とした「中部ESD拠点」、「ローマクラブ日本」など、持続可能な社会づくりに関連する諸活動に先駆的に取り組んでいる団体や国際的なネットワークが多数存在します。その知見やリソースを活用するとともに、全てを結集し更なる推進を図るために、飯吉厚夫初代会長のもと当プラットフォームは設立されたものです。
 SDGsは、LNOB(Leave No one behind)「だれ一人取り残さない、最も遅れたところに第一に手をさしのべる」という理念のもと17のゴールを掲げて、サステナビリティ(持続可能性)の実現のため、地球規模の課題解決をめざすグローバルな取り組みです。この理念に近づくには、まず地域社会ごとに進展を図る必要があります。「パートナーシップで目標を達成しよう(ゴール17)」にあるように、地域社会の産官学民のすべてのステークホルダーが、それぞれの強みを生かして協働することが不可欠です。そして自然、社会、経済が複雑に絡みあう課題に対応し、自然再興と炭素中立さらには循環経済の調和のとれた持続可能な発展を実現するには、専門分化を超えた包括的な思考のもと、社会を変革せねばなりません。
 2030年に向け、SDGsもいよいよ折り返し地点に到達しました。SDGsウォッシュでなく実体をともなった行動、ポストSDGsを見据えた取り組みが求められます。これからは、より具体的に進捗や活動成果を可視化し、取り組みが遅れている分野については、ますます行政・企業・教育研究機関等が連携して対応していくことが重要です。当プラットフォームでは、地域に根差した取り組みを、産官学民の協働によって中部全体のSDGs活動に発展させ、さらにはSDGsのグッドプラクティスとして国際社会に貢献できるよう積極的な取り組みと情報発信を進めてまいります。引き続き、皆様のご参加とご協力を賜りますようお願いいたします。

  • 中部圏SDGs広域プラットフォーム
    会長 福井 弘道
    (中部ESD拠点代表、中部大学副学長)