地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信
[情報発信]
国連SDGsグッドプラクティス
国際連合経済社会局(UN DESA)―国際連合地域開発センター(UNCRD)
取り組みの概要
国際連合経済社会局(UN DESA)は、各国政府によるSDGsの実現に向けた取り組みを支援するため、世界中からグッドプラクティス、成功事例、教訓を募集・選定し、グローバルに情報発信を行っています。これまで第1回(2018-2019年)、第2回(2020-2021年)と2回に分けて募集を行い、各回ともにさまざまなステークホルダーから700件を超える応募がありました。国連機関の専門家チームのよる分析の結果、第1回では511件が、第2回では465件が「SDGsグッドプラクティス」として選定され、ウエブサイト上に公開されました(https://sdgs.un.org/sdg-good-practices)。
また、UN DESAは、選定されたグッドプラクティスの中から、特に顕著な成果をあげた事例を厳選し、「SDGs実施の成功事例と教訓集(A compilation of success stories and lessons learned in SDG Implementation)」と題した出版物にまとめ、発行しました(同上)。
取り組みの経緯や課題の背景
2015年のSDGs採択後、時間が経つにつれ、「現状はどうなっているのか」「成果をあげている取り組みはあるのか」「ギャップや制約にはどのように対処すべきなのか」等、国連にはさまざまな質問や疑問が寄せられるようになりました。そこで、UN DESAでは、こうした声に応えるためにも、SDGsの取り組みを通じて得たグッドプラクティスや成功事例、教訓を世界で共有する必要があると考え、この活動を行っています。
具体的な実施方法
SDGsグッドプラクティスには、政府や自治体、民間企業や団体等、誰でも直接応募することができます。応募者は、取り組み事例の目的や活動内容、アウトプットやインパクト、ステークホルダーや連携、実現を可能にした要因や制約、実現可能性や再現可能性等の項目について、オンライン上のフォームに記載し提出します。
現在、「SDGsグッドプラクティス・オンラインデータベース」には、およそ1000件のグッドプラクティスが掲載されており、可視化ダッシュボードでは、実施する国や主体、関連するSDGsのゴール(複数可)ごとに事例を検索・表示することができます。また、各事例のリンク先の専用ウエブサイトにアクセスすれば、より詳細な情報を入手こともできます。
また、出版物「SDGs実施の成功事例と教訓集」の初版では第1回の16事例を、第2版では21事例を取り上げ、詳細に解説しています(うち2事例については別事例で紹介)。特にコロナ禍で募集した第2回の選定事例では、政府や関係者らがどのようにコロナウイルス感染症流行に対処し、SDGsの実現に向けて取り組んだのか、その影響や対応についての情報も交えて提供されています。
効果
SDGsグッドプラクティスは、オンライン上で誰でも簡単にアクセスでき、SNSを通じて広く拡散されており、SDGsに関する取り組みから得られた経験やノウハウ、教訓が世界中で共有され、SDGsの達成に向けた機運醸成につながりました。
展開可能性
日本においても、SDGs達成に資する優れた取り組みの表彰や優良事例の選定や事例集の作成等、国家レベルから都道府県、自治体レベルに至るまで、様々なレベルで実施されています。
取り組み関係主体
UN DESA主導で、関係する国連・国際機関も協力して実施しました。UN DESA直轄の国連地域開発センター(UNCRD)も全面的に協力、国内外の自治体らに応募を呼びかけました。中部圏からは尾張旭市、名古屋市、富山市、豊田市、SUNSHOW GROUP・三承工業株式会社(岐阜県岐阜市)等の取り組みが選定、公開されています。