地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信
[情報発信]

SDGs研修ツール作成ワークショップ:
とよたSDGsマスター

愛知県豊田市

取り組みの概要

 豊田市は、令和4年度に共働によるまちづくりの推進事業の一環として、参加者が豊田市の地域課題や魅力を題材に「豊田市版SDGsカードゲーム(とよたSDGsマスター)」を作成するワークショップ形式の連続講座(全5回)を開催しました。このカードゲームは、豊田市のオープンデータをもとに、豊田市の地域課題の現状をSDGsに関連させ、クイズを通じて誰でも簡単に学べる研修ツールです。講座は、平日昼間の連続開催にも拘らず、企業団体、学生、個人など延べ218名が参加し、その中で20名が皆勤賞として「とよたSDGsマスタークリエイター」の称号や次年度からのファシリテーター養成講座への優先参加権、記念品を贈呈されました。

【講座名】みんなでデザイン「とよたのSDGs」
~まちづくりの担い手集合!~ 第1回 スタートアップセミナー
「パートナーシップへの一歩って?」
SDGsカードゲーム体験会※1
第2回 カードに記載する問いをつくる
第3回 問いをしぼる
第4回 記載文案をつくる
第5回 テストプレイ
カード名称決定・皆勤者表彰

取り組みの経緯や課題の背景

 「行動の10年」が国連にて提唱されている中、SDGs達成に向けては、多様な主体がそれぞれの役割を認識しながら、市民レベルでも主体性を持ち、取り組むことが求められています。昨今、メディア等がSDGsを頻繁に取り上げているため、SDGsを「知っている」レベルでの認知度は向上しましたが、本質的な理解や具体的な行動にはつながっていないのが実情です。また、豊田市には、共働に対して、意欲の高い人材が多くいるにもかかわらず、その知見を活かし、活動できる機会やフィールドが確立されていませんでした。
 持続可能なまちづくりやSDGsを通じた地方創生を実現するには、地域にとって有益な「仕組や道具(つくる)、ヒト(育てる)、場所(伝える・見せる)」が必要であり、今回「SDGs研修ツール作成ワークショップ」の開催に至りました。

効果

 この取組を通じて、豊田市に縁を持つ人が、自分が暮らす・働くまちに対し、関心を高め、自ら考え、行動するきっかけやパートナーシップが確立できました。
 また「とよたSDGsマスター」制作を通じて、参加者は豊田市の課題や魅力を発見し、それが地元への愛着やシビックプライドの醸成にもつながり、地域内の「SDGs人材」の育成としても効果的であったと考えています。

展開可能性

 令和5年度より、『SDGs担い手養成講座(ファシリテーター養成)』を実施し、「とよたSDGsマスター」カードゲームプレイのファシリテーションを習得したリーダーを養成します。紹介した連続講座を皆勤した「『とよたSDGsマスター』クリエイター」は、優先的にファシリテーター養成講座を受講できます。
 将来的には、市内に28か所ある交流館やその他の地域拠点において、リーダーが中心となり、自律的に出前講座やワークショップなどを実施し、行政に頼ることなく、地域内でSDGsの理解促進が図られることに期待しています。
 併せて、「とよたSDGsマスター」の体験会も開催し、SDGsに対する理解を深め、行動に向けた第一歩となるよう、カードを多くの市民に活用してもらいたいと考えています。

  • パッケージデザイン パッケージデザイン
  • カード表面 カード表面

R4ワークショップ運営主体

事業主体:豊田市 未来都市推進課、市民活躍支援課、とよた市民活動センター
参加者:とよたSDGsパートナー、市民活動登録団体、SDGsに興味のある市民 など
ファシリテーター:NPO法人Mブリッジ代表理事 米山哲司氏

活用したツール等

 今回のワークショップ及び研修ツール制作において、三重県が産学官民連携で作成したオープンデータカード「SDGsスクエア(三重県版)」を参照させていただきました。