地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信
[情報発信]

なごやSDGs街(マーチ)

愛知県名古屋市

概要

 名古屋市は、平成17年に市民・市民団体、企業、教育機関、行政が立場や分野をこえて、知識や経験、問題意識を持ち寄って学び合うネットワークとして、なごや環境大学を設置し、環境学習やSDGsを学ぶ取り組みを進めています。令和2年12月には、主に小学4~6年生及びその家族が、SDGsの概要や各目標の内容、名古屋市内の企業・施設等の取り組みなどを楽しみながら学び、SDGsを自分ごととして捉えることができるウェブサイト「なごやSDGs街」を開設しました。
 ウェブサイト内では、SDGsの理念に基づいたまちづくりのゲームや動画、学校外の学びの場(SDGsフィールド)の情報発信等により、SDGs達成に向けてより良い行動を促しています。
 また、子どもたちの夏休み、冬休みの課題として配布される「夏の生活」、「冬の生活」と連動して学んだり、SDGs達成に向けた自らの行動を発信することができるコンテンツがあります。

  • 図 「なごやSDGs街(マーチ)トップ画面」 図 「なごやSDGs街(マーチ)トップ画面」

取り組みの経緯や課題の背景

 SDGsの達成のためには、次世代を生きる子どもたちがSDGsを学ぶ仕組みを構築することが必要です。そのため、市内の企業や施設等と連携してICTを活用した学習や学校外の学び等からなる「SDGs学習プログラム」を作成し、将来のまちを生きる子どもたちへ展開することで、SDGsへの意識を育み、まちや社会の課題を自分ごととして捉え、課題解決に向けた行動を促すとともに、子どもの家族・友人等、周りの人への波及を通じて、SDGs達成を支える人づくり推進しています。

課題解決のために活用したツール

 ウェブサイト内のコンテンツの1つのまちづくりのゲームは、ウェブ上の自分のまちに、ポイントを使って家や会社、公園、公共施設などのパーツを自由に置いて、自分だけのまちをつくり、まちのSDGs達成度を上げるゲームです。各パーツには経済、社会、環境に係る数値が設定してあり、それぞれのパーツを置くことで、まちのSDGs達成度が変化します。これにより、持続可能なまちにとって重要となる要素について学ぶことができる仕組みです。なお、パーツを置くために必要なポイントはウェブサイト内コンテンツの利用や学校外の学びの場を訪問することでためることができます。

効果

 令和2年12月の公開後、令和4年12月末時点までのおよそ2年間で、ウェブサイトのアクセス数は32万回以上、コンテンツ内の企業・施設等のSDGsの取り組みを紹介する動画は合計で5万9千回以上の視聴がありました。また、SDGs達成に向けた自分の行動を発信する投稿は約1万件あり、多くの子どもたちがSDGsを自分ごととして捉え、自分にできる行動へとつなげています。

展開可能性

 ウェブサイトの様々なコンテンツによって、2030年、さらにその先の社会を生きる子どもたちが、SDGsの理念だけでなく、普段の学習内容と結びつけて社会や世界の課題に対する関心を深め、学びへの意欲を高めることができています。

取り組み関係主体

事業主体:「なごや環境大学」実行委員会