地域で取り組むSDGs経営と効果的な情報発信
[評価認証]

豊田市SDGs認証制度
(地域内経済循環創出事業)

愛知県豊田市

取り組みの概要

 豊田市は、市内事業者のSDGs達成に向けた取組を加速化させるため、令和5年度から「豊田市SDGs認証制度」を開始しました。
 本制度は、申請があった事業者のSDGsへの貢献度や達成度を4分野の評価指標で審査し、一定基準に達した事業者を認証するものです。また、認証を取得した事業者に対し、認証ロゴの使用許可や、本市の一部の補助金における補助率の上乗せ等のインセンティブを付与することで、経営力の強化や取組へのモチベーション向上を促します。また、本制度の運営に地域金融機関である豊田信用金庫、豊田商工会議所が加わり、それぞれの知見を活かした役割を担うことで、地域事業者に対し、効果的な制度周知や支援を図ります。
 自治体が事業者の取組を評価・認証する制度は、未だ事例が少なく、中部圏内では「初」の取組です。
 今後、豊田市をロールモデルに、近隣のSDGs未来都市を始めとして、広域で本制度が活用されることを期待しています。

  • 豊田市SDGs認証制度イメージ 豊田市SDGs認証制度イメージ

取り組みの経緯や課題の背景

 豊田市は、2018年6月にSDGs未来都市に選定され、翌年発足した「とよたSDGsパートナー」と共に積極的に取組を展開し、SDGsの認知度向上や普及啓発には一定の効果をあげました。一方で、事業者の中には、SDGsに取組むことに対して、『SDGsの取組は、CSRに偏りがちで「経営」につながらない』『SDGsを積極的に取り組んでも特別感がない』という意見が出始めました。
 このような事業者のSDGsの取組に対する承認欲求やモチベーション向上に応え、普及啓発から行動促進への次なるフェーズに進むための「支援策」としてこの豊田市SDGs認証制度を構築しました。

評価指標・基準

 評価認証は、事業者によるセルフチェックおよび自由記述結果に基づき行われます。チェック項目は80項目、記述項目は26項目あり、これらへの回答結果をもとに採点を行い、その結果から3段階で認証が行われます。評価認証の対象となる項目は、環境、社会、ガバナンス、そして地域貢献の4分野から構成されており、具体的な内容の例は図の通りです。

  • 対象分野とその概要 対象分野とその概要

効果

 認証を取得することで、事業者にとっては、補助金の上限額の上乗せやPR、入札加点など様々なインセンティブを受けることが可能となり、顧客・取引先の拡大につながります。さらに、評価結果を持続可能な経営に向けた指針としても活用できます。
 豊田市にとっては、認証取得を目指す事業者が増加することで、地域産業へのSDGs経営の浸透が期待できます。また、事業者の取組を行政・地域金融機関等を支援し、競争力を向上させることで、「地域内経済の好循環」の創出につながります。

展開可能性

 評価指標は、今後の横展開を鑑み、あえて網羅的・一般的な内容としました。指標設計において、とよたSDGsパートナー事業者、県内SDGs未来都市、金融機関等に事前にヒアリングを実施し、今後、各自治体が、豊田市の制度をロールモデルとして活用しやすい設計となっています。
 各自治体で構築する制度のバランスを統一化することで、申請する事業者の事務負担軽減だけでなく、将来的にはインセンティブを共有するなど「広域活用」の可能性もあります。

認証制度の運営体制

相談窓口:市、豊田信用金庫、豊田商工会議所
審査:豊田信用金庫
有識者評価:国連地域開発センター(UNCRD)/豊田商工会議所/愛知県企画課 法政大学 川久保俊 教授/NPO 法人Mブリッジ 米山哲司代表理事 認証:豊田市

  • 運営体制図 運営体制図