中部圏SDGs広域プラットフォーム 設立趣意書

2015 年に国連サミットで「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が採 択され、2030 年までに国際社会が協力して取り組むべき目標が「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」として定められた。SDGs は「世界全体の普遍的な目標とターゲ ット」であり、「統合され不可分のもの」であり、そして「持続可能な開発の三側面すなわち経済、社 会及び環境の三側面をバランスする(調和させる)もの」とされている。

2020 年、世界各国は新型コロナウィルスによる危機に直面している。しかし、新型コロナウィルスに 対し、いまだ、効果的な治療法の確立やワクチン開発が実現していない(2020 年 11 月末現在)。日本 では、医療崩壊を防ぎ、市民の生命を守るため、国民一人一人の「行動変容」やポストコロナ社会に 向けた模索が始まっている。未知のウィルスである新型コロナウィルスに対応するためには、「新しい 生活様式」へのスムーズな移行を実現し、“誰一人取り残さない”世界の実現が求められよう。

SDGs は 2030 年を達成年としていることから、世界のあらゆる場所において目標達成のための活動を 行うことが必要である。日本では、内閣総理大臣を本部長とする「SDGs 推進本部」で策定され SDGs アクションプラン 2019 に掲げられた 3 本柱「SDGs と連動する Society 5.0 の推進」「SDGs を原動力 とした地方創生、強靭かつ環境に優しい魅力的なまちづくり」「SDGs の担い手として次世代・女性の エンパワーメント」に焦点を当てながら、SDGs 達成に向けた取組を力強く実施している。

地理的に日本の中央に位置している中部圏は、各県の特色ある自然環境を活かした農林水産業も盛ん であることに加え、日本のモノづくりの中心として発展してきた。近年 IT やデジタル技術の導入を積 極的に取り組んできた中部圏のモノづくりの経験、技術やノウハウは、SDGs の目標として掲げられ た課題解決に多大なる貢献が可能であると期待されている。モノづくりの発展と並行するように四日 市ぜんそくなど、多くの公害被害をもたらしたが、これら公害病裁判による教訓は、中部圏に環境保 護意識の醸成を強く促すこととなった。また、第2次世界大戦により市域の約4分の1を焼失する甚 大な被害を受けた名古屋市は、戦後すぐに理想的な文化都市、産業都市の建設を目標とする画期的な 復興計画を掲げ、復興土地区画整理事業で道路網整備、大規模緑地公園整備などが多くの市民の協力 を得て進められ、事業の運営方法、市民協働の在り方について、多くの知見を獲得した。さらに、愛 知県名古屋市で 2010 年に開催された生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)では「愛知目標」 が採択される等先導的な取組を全国に先駆けて実施した。

こうした中で、中部には、世界と直結する以下の組織が育ってきた。

国際連合地域開発センター(UNCRD)

1971 年に名古屋市内に設立され、大きな発展を遂げた日本の地域開発計画の経験を開発途上国に共有 する機関として、国際的に重要な役割を果たしてきた。中部圏唯一の国連機関であり、世界の共通目 標である SDGs を推進している国連本部経済社会局(UNDESA)SDGs 部(Division for SDGs)に属 し、世界と直結している。

(国連大学認定 RCE)中部 ESD 拠点

2007 年に、中部大学を幹事機関として、国連大学認定の ESD(持続可能な開発のための教育)に関す る地域拠点が設立された。東海 3 県における地域の大学から小学校まで、また多くの NPO、中小企 業、官公庁など 78 団体が加盟するネットワークを張り、UNESCO とも連携して、ESD や SDGs に関 わる幅広い教育・啓発活動を発展させてきている。

ローマクラブ日本(The Japanese Association of The Club of Rome)

2019 年に、ローマクラブの設立 50 周年を経て初めて日本支部が設立され、中部大学持続発展・スマ ートシティ国際研究センターに事務局が置かれた。同クラブは、人口問題、気候危機から貧富の格差 まで人類社会の重要課題を扱う世界に大きな影響を与えてきたシンクタンクであるが、中部がそこに 直結することとなった。

一般社団法人中部SDGs推進センター

2019 年に設立された一般社団法人で、SDGs の普及啓発に関する事業、達成に向けた調査・情報収集 に関する事業、人材育成・交流連携に関する事業など、SDGs 達成に向けた企業、行政、NPO 団体へ のコンサルティング事業を開始した。

以上のように、中部圏は社会経済の発展に伴い、環境保護、社会基盤整備および国際的ネットワーク についての有形無形の資産を形成するとともに、現代的な課題解決を行うことにより、様々な知見や ノウハウを獲得し積み上げている。これらは重要な蓄積であり、中部圏が持つ知見やノウハウを SDGs 達成のために活用する仕掛けをつくる価値があると思われる。このことから、中部圏ひいては 我が国における SDGs 達成に向けた取組を実施するとともに、世界各国、とりわけ開発途上国におけ る課題解決の支援など国際貢献を行うことを目的とし、さまざまなステークホルダーが情報・ノウハ ウを共有し協働事業を行う場として、中部圏 SDGs 広域プラットフォームを設置する。

設立発起団体(順不同)

国際連合地域開発センター(UNCRD)
(国連大学認定 RCE)中部 ESD 拠点
ローマクラブ日本(The Japanese Association of The Club of Rome)
一般社団法人中部 SDGs 推進センター