会員の取組

団体概要

中部大学は、愛知県春日井市にキャンパスを置く私立大学です。1938年に設立された名古屋第一工学校をルーツとし、1964年に中部工業大学として創設されました。工学部を中心に発展した大学ですが、現在は7学部26学科4専攻の総合大学となり、学部学生数は約11,000人。大学教育は、緑に囲まれた丘陵に位置するワンキャンパスで行われており、多分野の学生が交流し、就職率の高さでも知られています。
中部大学は、建学の精神「不言実行、あてになる人間」を信条とし、豊かな教養、自立心と公益心、国際的な視野、専門的能力と実行力を備えた、信頼される人間を育成するとともに、優れた研究成果をあげ、保有する知的・物的資源を広く提供することにより、社会の発展に貢献します。幅広い学問領域をカバーする学部学科が連携して高度な専門性と柔軟な応用力を兼ね備えた人材育成に努めています。

基本方針

中部大学は、持続可能な社会の実現を担う人材育成を大学教育の柱として、2007年から「持続可能な開発のための教育(ESD)」に注力してきました。国連「ESDの10年」(2005年~2014年)の趣旨に賛同し、国際的なESD地域拠点(RCE: Regional Centres of Expertise on ESD)のひとつである中部ESD拠点(RCE Chubu)の幹事機関(2007年10月~現在)となって学内外のESD活動を展開してきました。中部大学国際ESD・SDGsセンターでは、SDGsに関する基本方針として、当面は下記項目の充実を図ることとしています。

  • ①【研究活動】サステナビリティ・サイエンスの深化
  • ・全教員の研究内容のサステナビリティ貢献度の明確化と可視化
  • ・分野横断型共同研究の促進
  • ・産学官民連携研究の促進
  • ②【教育活動】ESDの全学的発展
  • ・学部横断型・分離融合型のESD教育の実施
  • ・課外学習および大学生活(エコキャンパスなどの施設利用含む)におけるサステナブルライフ教育
  • ・地域・国際連携による現場・体験型学習の促進
  • ③【社会貢献活動】地域のサステナビリティ拠点大学化と国際連携の強化
  • ・サステナビリティに関する地域のネットワーク支援強化(中部ESD拠点、愛知学長懇話会等)
  • ・SDGsを活用した地方自治体との連携強化(SDGs未来都市等との連携)
  • ・サステナビリティに関する国際連携の強化(UNESCO, UNU, UNCRD等の国際機関との連携)

実施内容

SDGsに関する主要な活動は以下の3項目です。

① 研究活動
研究活動では、各学部を網羅する大学院(6研究科)を設置するほか、創発学術院、中部高等学術研究所、先端研究センター、ペプチド研究センター、超伝導・持続可能エネルギー研究センター、薄膜研究センター、ミュオン理工学研究センターなど最先端の研究に取り組む研究所・センターを設置しています。
SDGsに関する研究活動の具体例としては、SDゴール7「エネルギー」に関連する超伝導直流送電システムの研究開発が挙げられます。中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センターでは、高温超伝導ケーブルを用いる直流電流の送電とその関連技術の研究開発を行い、エネルギー資源を有効に利用するシステムを構築して社会実装し、持続可能な社会の発展に寄与することを目指しています。同センターは、新エネルギーの技術開発および超伝導直流送電システムの研究開発を推進し、新規事業の開発及び当該分野における人材の養成を図り、地域産業の活性化に寄与することを目的として活動を展開しています。

② 教育活動
教育活動では、ESD活動の初期から、文部科学省の支援を受けて、学部生向け講義「持続学のすすめ」を実施しています。さらに、ESDを実施してきた中部大学の教育をさらに発展させ、文理の枠を越えた「課題解決できる人間」の育成を目指したSDGs教育を行うため、2022年度からSDGs学際専攻を開設しています。SDGs学際専攻を修得了した学生は、SDGsのマインドが身に付き、他分野の学びが体験でき、多様な価値観やものの考え方が身に付きます。
SDGsに関する教育活動の具体例(SDゴール4「教育」)として、中部大学大学院では、2021年度から「持続社会創成教育プログラム」を開始。高い専門力に加えて、高度な俯瞰力や豊かな人間性を備えたリーダー人材の育成を目指し、SDGsや先端科学技術といった思考基盤科目とAI・データ科学などの価値を創造する科目なども共通科目として履修する教育プログラムを提供しています。

③ 社会貢献活動
社会貢献活動としては、2009年に国際ESDセンター(現、国際ESD・SDGsセンター)を設置し、ESDおよびSDGsを達成するための人材育成を目的に活動を展開しています。同センターでは、学内活動として学部分野横断的な研究・活動発表の場づくりやシンポジウム等の実施。学外連携活動としては、中部ESD拠点および愛知学長懇話会SDGs企画委員会事務局を担い、東海・中部地域におけるSDGsのネットワークを構築しています。
SDGsに関する社会貢献活動の具体例としては、SDゴール17「パートナーシップ」に関わる、流域圏SDGsネットワーク活動をが挙げられます。中部大学が幹事機関を担う中部ESD拠点協議会では、愛知県・岐阜県・三重県の主要河川流域一帯を、伊勢・三河湾流域圏と呼び、同域内の包括的なSDGs達成をめざすネットワーク活動を実施しています。それらの活動は、サステナブルな政策に強い若者育成をめざす「中部サステナ政策塾」活動や、文化と生物多様性の関りを学び、保全活動をおこなう「SDGs達成に向けた日本の祭りと生物多様性保全」プロジェクト(トヨタ環境活動助成プログラム採択)などです。

成果/評価

中部大学が実施・視点するSDGs活動の取組成果および評価方法は下記の通りです。
① 研究活動
中部大学の研究活動に関する成果は、科学研究費助成事業の研究成果報告等で公表されているように、さまざまな学術的成果と社会実装に貢献してきました。また、それらの外部評価についての一例は、自然科学系研究レベルを示す Nature Index 2016 Japan において、全機関中73位、私立大学中14位、東海地区の全大学中5位となったことからも研究面での高い評価があきらかになっています。

② 教育活動
教育活動の成果は、10数年にわたって実施している講義「持続学のすすめ」をはじめとするESDおよびSDGsに関する講義受講生が、サステナビリティ・マインドを持ち、卒業生として多彩な分野で活躍しています。近年、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が実施してる「THE大学インパクトランキング」においても中部大学のSDGs研究・教育成果は、東海地域の私立大学としてはトップクラスの評価を得ています。

③ 社会貢献活動
SDGsに関する社会貢献活動は多岐にわたりますが、中部大学が幹事機関を担う中部ESD拠点協議会は、これまでに多くの外部資金を獲得して活動を展開して生きたことからも、その社会的ニーズと独創性の高さがわかります。地域の学びを通して、分野が異なるステークホルダーの交流が促進されたことも成果のひとつです。また、国連大学のESD地域拠点(RCE: Regional Centres of Expertise on ESD)のひとつとして国際的にも認知されており、UNESCOのESDに関するグローバル・アクション・プログラムの主要パートナーとしても選定されました。

参考リンク